ASKA 非公式ファンサイト

アルバム『君の知らない君の歌』

 

当コンテンツ(歌詞分析)の主張は明確だ。

「ASKAの歌詞は失恋と精神世界の二本柱でできている」

これまで取り上げてきた歌はすべて、このどちらかに分類できる。最近は精神世界系がマイブームだったが・・・  前者、失恋に関してもHP開設当初から主張してきた。「ASKAのラブソングは大半が失恋ものであり、別れのパターンも決まっている。察するにその失恋は実体験である」と。

すると2016年7月27日の本人ブログで、その事実が認められた。それによると、毎日のように思い出す元恋人がいる。そして2010年のセルフカバーアルバム『君の知らない君の歌』はすべてその人のことを歌ったものであり、レコーディングしたら浄化されて毎日のようには思い出さなくなった、と。

さらに「その女性の住んでいたところは、きっと、その昔、桜並木に挟まれた上水道があったのだろうな。それが由縁となって地名がついたのだろうな」という記述から、その地名とは東京都世田谷区の桜上水と分かり、以降当サイトではその女性のことを〈桜上水の恋人〉と呼んでいる。ちなみにASKAは当時中目黒に住んでいた(典拠は『concert tour FACEs』など)。

ハッキリ言って、この〈桜上水の恋人〉の存在を措定できれば、ASKAのラブソングはほとんど読み解けると言っても過言ではない。とにかくASKAは執拗に執拗に執拗に執拗に執拗に、彼女との恋を歌っているから。別に『君の知らない君の歌』に限らなくて、ある頃から以降のラブソングにはすべてその影がつきまとう。

今回はこのアルバムの収録曲全部を同時を取り上げて、一体それがどんな恋だったかを立体的に描写してみたい。以下、赤字は同アルバム収録曲からの引用。()にその引用元を記す。

『君の知らない君の歌』というタイトルから感じるのは、「僕の歌は抽象的だから気づかなかったかもしれないけど、君のために作った歌がいっぱいあるんだよ」というメッセージ。暗号みたいなものだ。

 

・どんな人?

今何を考えてるのって 君はよく聞く(好きになる)

人見知りでさみしがり屋(Far Away)

隠れ家が必要な、精神的に不安定な人(no doubt)

イタズラ好きな君(C-46)

切りすぎた前髪を悔やむ(好きになる)

BROTHER SUN , SISTER MOONが好きで、少しはずれた唄を得意げに歌う。彼女の歌で覚えたASKAが弾くギターじゃ、曇り顔だった(君の好きだった歌、BGM)

   (brother sun, sister moon)

 

・出会いは?

坂道を下った店で紹介された。すぐに恋を始めた(君の好きだった歌)

 

・二人が過ごしたのはどんな部屋?

マンションの201号室(201号)

首都高が見える(君の好きだった歌)

当時ASKAは印税以外の収入(事務所からの給料?)をほとんど家賃に充てていたと言う。印税で生きていくぞ!と己れにハッパをかけるために。だからけっこういいマンションだったのではないだろうか。なお、当アルバムのブックレットの写真は、古めかしい部屋や家具などが写されている。46分テープも写っていて、これが実物か!?と心ざわめく。

 

・どんな幸せが?

二回着信を鳴らすのが合図(MIDNIGHT 2 CALL)

いつもふたりは友だちのよう話ができた(no doubt)

ソファに並び、ASKAの肩で眠った(no doubt)

ASKAのものを自分のもののように使うことが訳もなくうれしかった(no doubt)

いつの間にか君が使うコップや椅子が 僕の部屋の中決まっていった(君の好きだった歌)

46分の録音テープで隠し録りされた。その中でASKAは歌手としての成功と、彼女との未来を誓っている(C-46)

生まれ出た意味さえも感じた(no doubt)

言葉を持て余す沈黙がいやで 二人の時間をキスで渡った(好きになる)

ずっと君に触れていたいねって想い願う(パラシュートの部屋で)

聞き取れない言葉で喘ぐ(パラシュートの部屋で)

 

・どんな別れ?

ASKAが彼女を傷つけた=恋で泣かした人と 恋で泣かされた人(めぐり逢い)

君から去った(MIDNIGHT 2 CALL)

本当のことは何も言えないままのお終い(くぐりぬけて見れば)

彼女はさよならを言いながら震えてた(くぐりぬけて見れば)

ASKAはさよなら言えずにただテレビ見つめて並んでいた(no doubt)

君の涙に付き合えなかった(くぐりぬけて見れば)

ドアの閉まる音だけを覚えてる(くぐりぬけて見れば)

彼女は愛の行方確かめすぎた(Far Away)

信じあうよりもずっと むつかしい(Far Away)

doubt =疑念(no doubt)

色んな人(彼女の母も)が若すぎるって言った(君の好きだった歌)

僕らはきっとあの恋を閉じ合った 思い出を愛せるように(no doubt)

 

・その後は?

マンションの近くを通るといつだって見上げてしまう(C-46)

彼女の電話番号を指先が忘れない(くぐりぬけて見れば)

だれも聞かない君のこと いつまでも包んだまま(明け方の君)

君の幸せを確かめてみたいとずっと思ってる(C-46)

引っ越す前の部屋には彼女の写真が残っていた(201号、MIDNIGHT 2 CALL)

手を止めて眺めてる 写真にもあやまった(201号)

あの日の笑顔で僕の夢にまぎれ込んで遊んでた(明け方の君)

夢から覚めれば切なくて(めぐり逢い)

最後に(死の間際に?)想い出すのは君がいい(めぐり逢い)

別れてからしばらく経って、ある深夜に彼女のほうから呼び出した(MIDNIGHT 2 CALL)

許せないから帰そうとしたが、ガマンしきれずに呼び止めた =片手は上着を掴んでた(MIDNIGHT 2 CALL)

もう君を忘れたいと思うよ今は 君を愛してたくらいに愛したい人がいる(明け方の君)

 

以上。

並べてみると分かるが、曲を横断して同じモチーフが繰り返し登場している。それはこのアルバムだけではなくて、何倍もの数の失恋の歌も同じである。以上のような事実から、やはりこれらの詞は実体験そのままとしか思えない。ASKAの歌に真の臨場感が感じられるのも納得する次第。

そして全部事実だと思って聴くと、本当に切なくなる。編集しながら胸が張り裂けそうになった。

 

 

 

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