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この愛のために

99年 作詞作曲 飛鳥涼

【モチーフ】愛に殉ずる

【テーマ】チャゲアス再始動

※歌詞は動画を参照

 

この曲が発表されたタイミングは、99年3月、チャゲアス20周年を迎えた年のシングル一発目であり、長いソロ活動からのコンビ復活の一発目でもある。当時「これがこの一年のチャゲアスのテーマ曲になる」とASKAは語っている。

私は再三指摘しているけれど、97,98年のソロ活動は極めて重い意味を持つ。チャゲアスは94,95年と大規模なアジアツアーを大成功させ、96年にはロンドンでMTV UMPLUGGEDに出演するという大大大大大快挙を成し遂げた。チャゲアスでやれることをすべてやったと言ってよいほどの、神がかり的な地球規模の活躍だった。そしてMTVに出たあと、ソロ活動に入る。ASKAにとってはデビューから17年にして、初めてのソロツアーだ。アルバムONEという超のつく名盤をロンドンで製作し、ライブでは新境地を開拓。ソロは一年のつもりだったところを、あまりに気持ちよかったのか延長して、あの問題作kicksを作り上げている。ASKAソロの弾けっぷりは凄かったし、CHAGEのほうもoki doki!と2ndという名盤を発表している。はっきりいって二人ともが、ソロのほうがかっこよかった。このまま解散してもおかしくなかった。

しかし99年はチャゲアス20周年。二人は帰ってきた。そんな年の「テーマ曲」なのだ。

チャゲアスでやるからにはヒットを狙ったことだろう。めちゃくちゃなほどに気合いが入っている。特筆すべきは声。ASKA史上最強のハスキーボイスでレコーディングされている。ミッシェル・ガン・エレファントが好きな友人が、「チャゲアスのこの愛のためにはヤバすぎる」と言っていたが、なるほど、チバユウスケも裸足で逃げ出すようなダミ声。サウンド面でも殺伐とした空気感を増幅している。イントロでギターのあとにタイムマシンで異次元に入っていくような音があるのだけど、私は何度聴いても鳥肌が立つ。この曲に関しては、いかなるライブバージョンよりも、シングルCD音源が最高であることは強調しておこう。この機械音はライブでは活きない。

 

20周年ということでこの年は本当にメディアに出まくっていた。その多くのメディアでしつこいくらいにASKAが語っていたのが、以下の歌詞。

大事なものが変わってきた

「おれたちはやりたい音楽をやっていく。ついてこれない人たちがいてもしょうがない」

このようなニュアンスのことを色んな場所で言っている。これは97,98年のソロツアーがロック路線だったことを指している。「みんなのチャゲアス」として優等生的にガンバってきたけれど、今オレはロックをやりたい。そういう意味だ。

 

少しイケてると思うと決まって 津波のようにさらわれる未来さ もういい加減に焦ることはない

イケてる=売れてる、さらわれる未来=売れなくなった今。でもそんなことは最早どうでもいい。俺たちの音楽を好きな人だけが聴いてくれればいい。

当時の雑誌やテレビ出演のビデオがいくつか残っているけど、本当につっぱってた。テレビ出ても黒ずくめで、ブスッとして笑わない。私はそんな姿にもシビれていた。

 

そしておもしろいことに、この曲の「お前」はCHAGEを指しているとしか思えない。ASKAはインタビューでそのことを否定しているようだが、少なくともそう読めるように狙って書いているのは間違いない。

 

二人は小さな複数だけど とても大きな勇気になれる

この部分なんかはモロだろう。

 

nobody  but you というのは訳すと「お前しかいない」。つまり20周年というお祭りイヤーの中で、紅く俺を照らすのはCHAGEしかいない。

 

あの日消し忘れた灯りか太陽か

消すというのは解散だろう。

 

すべてはお前とこの愛のために

どんなにソロ活動が楽しくったって、ASKAはチャゲアスに戻らねばならない。腐れ縁としての愛。すべてのソロ活動はチャゲアスに還元される、という意味のことも至るところで語っている。

 

3:03より、歌入れの風景。これは、死ぬほどかっこいい。

私の心の中では『この愛のために』が不動のナンバーワンだ。初めてめざましテレビで聴いたときの衝撃を忘れない。録画した15秒くらいのサビのとこを、狂ったように巻き戻しながら見てた。この曲はもっと評価されてほしいと思う。日本歌謡史上に燦然と輝く「ロック演歌」だ。ASKAにしか歌えない唯一無二の歌。夜もヒッパレでつのだ☆ひろが唄っていたけど、噴飯ものだったのを苦笑とともに思い出す。

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