ASKA 非公式ファンサイト

kicks(ASKAソロ)

これを問題作と呼ばずして、何と言おう。

J-POP史上ではYMOの「BGM」、ミスチルの「深海」のような絶望的に暗い作品が世を騒がせたが、それらよりもはるかに問題を孕み、それでいて時流を逃して世の話題にならなかったのが悲劇的でもある。

ポップが売りのチャゲアスが、急にハードロックに転向。さらに歌詞にドラッグと思われる描写がバンバン出てくる。ジャケットに至っては、男の手が女のスカートの中をまさぐる写真である。当時中学生の私は唖然としたものだ。「ASKAが麻薬をやってる!!」。しかしこの驚愕を共有してくれる人やメディアは私の周りにひとつもなかった。

参加ミュージシャンはのちにASKAバンドと呼ばれる最強の面々。ドラムに江口信夫、キーボードに松本晃彦、ギターには是永巧一と古川昌義。いかに彼らがすごいかは映像を見ればわかるだろう。

とんでもない歌唱力と作曲能力を持つASKAがハードロックをやればどうなるか。人跡未踏の音楽がそこにはあった。

やはりこのころにはバキバキにクスリを決めていたんだろうが、音楽という悪魔に魂を売り払い、最後の力を振り絞ったASKAには喝采を送りたい。このアルバムがほとんど公に語られないのが不思議でしょうがない。地球の歴史に燦然と輝く大名盤である。

 

 

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