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『スーパーベスト』をめぐる初期チャゲアス断想

チャゲ&飛鳥 『スーパーベスト』

 

10年ぶりくらいだろうか、久方ぶりに『スーパーベスト』を聴いた。79年のデビュー曲『ひとり咲き』から87年の『Count Down』まで、シングルを発表順に並べたベスト盤である。90年の再発盤がブーム後にロングヒットとなり、約75万枚。チャゲアス史上6番目に売れたアルバムとなっている。しかし・・・

 

初期チャゲアスを苦手とする人は多いと思う。90年代の魔法をかけたようなキラキラしたポップスからは想像できないような、泥くさい「フォーク演歌」だったから。『スーパーベスト2』でハマってこれを手にした人は、ほとんど仰天もしくは失望したと思う。なんの予備知識もなく初めて『ひとり咲き』を聴いたとき、クエスチョンマークしか浮かばず途方に暮れた中学生の自分を懐かしく思い出す。
ところが今になって、久しぶりに再生した『スーパーベスト』を、私は素直に愛でることができた。これは自分が変わったということだろう。チャゲアスを通じて自分を知るという乙な体験でもある。ひとつのミュージシャンを聴き続けているとこういう経験はしばしば起こるけれど。

 

それにしたって『北風物語』とか『華やかに傷ついて』ね、笑。このへんのキング・オブ・微妙なシングル曲があまり記憶に残っていなくて、それでいてかすかに懐かしくて、その微妙な感覚が楽しくてしょうがない。
なぜ記憶にないかといえば、このへんのシングルはアルバム未収録なのだ。だからスーパーベストを聴かない限りは、耳にする機会がなかった。アルバム未収録のシングルを列挙してみる。

 

放浪人(TABIBITO)
北風物語
マリオネット
華やかに傷ついて
Count Down

 

以前にも書いたが、私は80年代のアルバムはレコードで聴いている。90年に再発されたCDにはボーナストラックとして入っているのだが、オリジナル盤にはない。なのでこれらは私の記憶に上書きされることがなかった曲たちなのだ。
聴いたことがある人なら共感してくれるはずだけど、これらの曲の微妙っぷりはちょっと、すごい笑。だから今回、これらを素直に楽しめた自分、すごいじゃんって話、笑。耳が肥えたのだ。北風物語が万里の河なみの名曲に聴こえた。哀愁漂うビブラートが素晴らしい。

 

しかしなぜシングルをアルバムに入れない戦法を採ったのか?そのへんは聞いたことがない。『21世紀』に至ってはシングルが一曲もないという。

 

あと気がついたのは、デビュー曲からずっと、失恋の歌ばっかりということ。失恋は今に至るまでASKAの主要モチーフなので、このことはたいへん興味深い。当時は女性視点の歌詞が多かったんだけど、それでも失恋。

歌詞の中で敬語を使うのもフォークっぽくて良い。「どれだけ待てばいいのですか」「涙ばかり溢れてきて困ります」など。

 

 

初期チャゲアスはなじみのない人もいると思うので、↓に頑張って『スーパーベスト』の動画を集めてみました。なるべく発表当時のものにしました。楽しめると思います。『北風物語』や『華やかに傷ついて』はさすがにマニアックすぎたか、ありませんでした笑

動画を見て思うのは、やはりチャゲアスは圧倒的にライブがうまい。『誘惑のベルが鳴る』とか相当な駄曲だと思っていたけど、映像で見ると最高に楽しい。本当、最初っから天才だったのだ。

 

ひとり咲き

→言わずと知れたデビュー曲。5:30もある破格のスケール。動画はアマチュア時代のもの。こんな貴重な映像が現存するとは!

 

万里の河

→90年までのチャゲアス最大のヒット曲。「おとぎ話の恋」って織姫と彦星のことかな。ロマンチックな歌詞。

 

放浪人(TABIBITO)

→シングル初のチャゲ曲。しかし飛鳥がボーカル。作詞は当時多用していた松井五郎。

 

男と女

→東アジア全域で有名なバラード。古い映像はありませんでした。

 

熱い想い

→初期チャゲアスの殺しの一曲。スケール大きなバラード。

 

マリオネット

→迷走感がピークの頃。でもライブだと悪くない。

 

MOONLIGHT BLUES

→この曲からASKAは鍵盤で作曲するようになり、幅が出る。長く歌い続ける記念碑的名曲。公開されている中で最も古いPV。

 

標的(ターゲット)

→放浪人(TABIBITO)以来の( )つき笑

 

誘惑のベルが鳴る

→記念すべき初のチャゲ・メインボーカルのシングル。『二人の愛ランド』的なノリ。これが当時のチャゲのイメージなんだろう。

 

オンリーロンリー

→初期飛鳥特有の甘〜い声が光る、名バラード。

 

モーニングムーン

→レコード会社を移籍し、イメージも大きく変えた。オンリーロンリーからのギャップがすごい。今に至るまで名曲と語り継がれる。

 

黄昏を待たずに

→80sの香りが漂うポップス。ベース音が良い。

 

COUNT DOWN

→『スーパーベスト2』で最も飛ばされた曲!?でもやっぱりライブだと悪くないのがすごい。飛鳥のハモりが絶品。

 

(2017/06/25)

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