ASKA 非公式ファンサイト

ONE(97年、ASKAソロ)

収録曲

92年『GUYS』以来久々のロンドンレコーディング3作目。ASKAには珍しい(?)、とてもオシャレなアルバムである。異常なくらい肩の力が抜けていて、とても気楽に聞ける。まるで洋楽そのものである。ASKAの音楽はいつも歌詞やメロディのフックが強すぎて気軽に聴けず、正座して謹聴するくらいの重みがあるものだけど。

プロデューサーはデビュー以来お馴染みの山里剛から離れ、英国人の名前が3人も並ぶ。プロデューサー3人って不思議なクレジットだとは思っていたが、ASKAがブログで経緯を公開した。
http://aska-burnishstone.hatenablog.com/entry/2017/12/05/214831

 

前作『Code Name 2』でロック路線を展開したことからも感じられるように、新しい挑戦がしたかったのだろうなぁ。ロンドンに飛び、旧来のプロデューサーから離れる。初めてのソロツアーを開催する。この97年のソロ活動ほど、ASKA史におけるエポックはなかったと私は思う。作風の変化は常に起きていたけれど、ここまで根本的に音楽が変わったことはなかった。(翌年の『kicks』ではさらに変化が加速する)

 

 

 

このアルバムに私は最高評価をつけたわけだけど「そんなによくねぇよ」と思う向きもきっといるだろう。その気持ちもわかる。そんなあなたに問いたい。
ビデオ『共謀者 ID』は観ましたか?

 

チャゲアスの曲はライブで完成する面がある。単なるスルメとも違う。ライブで曲の真意を悟るというか。魂が吹き込まれるのである。
ビデオ『共謀者 ID』というのはこれまた私が最高評価をつける逸品で、評論家の田家秀樹に「日本でここまで本格的なロックショーをやれる人はいない」とまで言わしめる最強のアクトである。そりゃロックシンガーでこんなに歌がうまい人は世界でも稀なのだから、間違いない。これを見た途端アルバム『ONE』は最高傑作に格上げされる。私自身それまでは『ONE』は微妙な作品という印象だったのだ。

 

これはシングル『着地点』(アルバム発売後にシングルカットされた『ONE/着地点』の両A面)。アルバム未収録だがツアーの雰囲気をよく表しているのでご紹介しよう。誰より目立つのがギター是永巧一、笑。このバックバンドがいわゆる「ASKAバンド」の最初期メンバーだけど、このグルーヴ感最高でしょう。私はバックバンドにこだわるほどの音楽マニアでもないが、このビデオを観て、生まれて初めてバックバンドに目が行った。凄い、凄すぎると思った。

 

『帰宅』。こんな叙情溢れる弾き語りも。

 

 

このアルバムの曲はどれも、ライブが似合う。YouTubeからほとんど消えてしまったので紹介できないのが残念だ。このアルバムからは他にPV2本がYouTubeにある。

 

 

シングルカットされたタイトルチューン『ONE』。この胸が苦しくなるような音、メロディ・・・ それまでのASKAに無かった新境地だろう。私はこの映像を見るとスタンリー・キューブリックのホラー映画を思い出す。怖すぎて見れないほどだ。英国風の狂気を感じる。

 

これまた暗い曲。これがシングルなのだから驚きだ。99年『群れ』に並ぶ“二大暗いシングル”だ。メッセージ性が強く、ソロでやる意義を十二分に感じられる。当時チャゲアスでこれはできなかっただろう。このPVも有名で、高校生の頃にファンじゃない友人とも話し合った思い出がある。自転車のシーンが最高。

 

この二曲は暗いが、他はそうでもない。『風の引力』『草原にソファを置いて』は特に実験性が高く、私は好きだ。

 

 

なお、好事家にはこのラジオ番組の動画をオススメしたい。創作の裏側が非常によく語られている。(参考記事http://nobodybutyou.asia/archives/547)

 

(2017/12/06)

‹‹一覧に戻る