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ENERGY

収録曲

 

 

88年発表。このアルバムの特徴は2点ある。

 

・イギリス人ミュージシャンを東京に招聘して製作された

・CHAGEがいい

 

87年にフジの『世界紅白』という番組に日本代表で出演し、ロンドンで海外大物ミュージシャンと共演したチャゲアス。大いなる刺激を受け、ロンドンでのレコーディングを企画。そんなわけで本作『ENERGY』はロンドンで録る予定だったが、都合が合わなかったらしくロンドン行きは流れた。その代わりイギリスからミュージシャンを招いてレコーディングに起用したということだ。

素人耳にもこのアルバムは「音がいい」ことがわかる。ドラムやギターの音が乾いていて、J-POPのジメジメしたとろくさい感じは皆無。引き締まったハイセンスなブリティッシュロックの香りが漂う。

 

そして何が言いたいかというと、ブリティッシュの風を入れることで

CHAGEが開花

したのだ。

 

今作のCHAGE曲のクオリティは目を見張るものがある。アルバムの一曲目はCHAGE曲『ripple ring』。アルバムのしょっぱなからCHAGE曲というのは空前絶後のことで、それがCHAGE開花を象徴していると思う。ちなみにCHAGEは事あるごとに「ripple ringを書いて俺は変わった」という趣旨の発言を残している。

その『ripple ring』と『東京Doll』はCHAGE史に残る名曲だ。そしてこの二曲を聴けば分かるけど、CHAGEという人はマニアックな曲を作ってナンボというところがあり、ふつうのポップスをやらせると非常に弱い。

 

この路線から

 

こちらへ移行したわけだ(9:40〜)。

 

 

『ふたりの愛ランド』をどこかで引きずっていたのかもしれないが、CHAGEは「コミカルなポップスを歌うオニーチャン」みたいなキャラだった。それが初期チャゲアスにおいて、どれだけマイナスになったか・・・ シリアスな飛鳥曲の合間を縫ってふざけたポップソングが忍び込んでくる感じ、たまらないものがあった。

ところが88年、CHAGEは覚醒する。どう変わったかというと

無国籍で怪しい人

のミステリアスなイメージ。今作のCHAGE曲はどれもミステリアスだし、これ以降のCHAGEにはそういうイメージがある。

 

曲単体で見ていこう。

『赤いベッド』の前奏・間奏にはシタールが入る。シタールというのはインドの弦楽器だけれども、中期以降のビートルズが多用しロックに取り込まれた歴史があるので、シタール=ブリティッシュロックといってもいいだろう。この無国籍な感じがとても洒落ている。ものすごいやかましい終わり方をするのだが、ひょっとすると「チャゲアス史上最高にカッコいいアウトロ」かもしれない。

『RAINY NIGHT』は野太いドラムとASKAのコーラス、そして後ろでテケテケ鳴っているリズムギターの音が渋い。耳をメインボーカルから外してバックスに移すと、ロック感満載なのである。はっきり言って曲自体は従来のCHAGEとさして変わらないが、音がいいというだけで私の中では佳作に格上げされている。耳をすませば意外といいよ笑 ラプソディ以前の音でこの曲を録っていたら『待ちぼうけのLONELY TOWN』的に陳腐化していたはずだ笑 そうやって妄想をたくましくしながら聴くと楽しい。

『夢のあとさき』のけだるいボーカルワークもCHAGEの真骨頂。これもブリティッシュサウンドだから成り立つボーカルだと思う。イントロも超絶技巧。

 

88年にCHAGEがオシャレになった。これはチャゲアス史における大いなるターニングポイントであり、奇しくもこれ以降チャゲアスはスターダムをかけあげることになる。ASKAはデビュー当時から圧倒的に天才だったので、チャゲアスの成否はCHAGEにかかっていたことが、このアルバムとそれ以前を聴き比べればわかるのだ。

私は88年ENERGY以降、99年NO DOUBTまではベスト盤で済ますことなくオリジナルアルバムを揃えることを勧めているのだけれど、それはひとえにCHAGEがいいからなのである。

 

 

ところで、このアルバムのASKAの良さもまた、尋常ではない。

 

書ききれないので一言。すべてが神ってる。シングル曲など有名な曲に親しんだあとに向かうべき、隠れ名曲群がここに集結している。

このアルバム、見過ごされてやしないか?もっともっと評価されていい。

 

Sランクに至らないのは、どこか気迫と風格にかけるような気がするから。それは次作『PRIDE』で大爆発することになるのであった。

 

(2018/05/01)

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