ASKA 非公式ファンサイト

GUYS

90年『SEE YA!』に続く、ロンドンレコーディング2作目。ASKAは制作に強いこだわりを持って臨み、スタッフの反対を押し切って「やりたいことをやった」アルバムであり、本人の満足度は高いようだ。
ASKAという人は常に変化をしてきた人である。当サイトでは活動を年代ごとに区切って紹介することが多いのだが、それは作風が数年ごとに明瞭に変わっているからだ。そしてその変化の仕方はときに天邪鬼である。期待したリスナーを突き放すかのような・・・
『GUYS』は92年11月発表。『TREE』と『SUPER BEST Ⅱ』が立て続けに日本のアルバム売り上げ記録を塗り替えた直後の作品である。誰もが注目する大事なときに、果敢にもASKAは作風を大転換させている。
華やかなポップス色は影を潜め、ブラスバンドを多用したジャジーな雰囲気。簡単に言えばスローなバラードだらけなのである。これは期待を裏切られた人も多いのではないかな。スタッフが止めるのも納得というか。当時のチャゲアスのイメージは「元気いっぱい」な感じだったと想像するが、『GUYS』ほど静かで大人びたアルバムはない。

はっきり言ってこのアルバムは評価が分かれるだろう。「GUYSを褒めたたえてこそ通」みたいに思っている人もいるかもしれないが、正直私には思い入れも思い出も少ない、静かな印象の一枚だ。意外な作品、という位置付けでもある。

 

しかしこだわっただけあってその音の完成度は高く、今聴いても1ミリたりとも古びていないのが凄い。90年代のJ-POPで、ここまで音楽的な完成度を誇る作品も珍しいだろう。『ふたり』のカバーがアメリカで大人気だったそうでその意外性には驚かされたが、ひょっとするとこのアルバムは欧米で評価されるような逸品なのかもしれない。実際アルバム中でも断トツで地味な『WHY』が、英語化されてアメリカ映画に使われている。(参照https://ja.m.wikipedia.org/wiki/GUYS)

 

やや辛口になってしまったが、それはあくまでも90年代チャゲアスの前後の作品との比較であって、世の中の音楽一般と比較した場合には必聴盤と言っていいくらいのクオリティであることは付言しておこう。

 

余談だがチャゲアスあるある。ロンドンでの制作と関係あるのか、CD全体の音量が低くなっていた。オリジナルのカセットテープを作るときに、このアルバムの曲だけ音が小さくて困ったものだ。

 

 

タイトルチューン『GUYS』とは、ナイスガイのguy。いい人、ではなく、いい奴と呼ばれたい、みたいなニュアンスだそうだ。今風に言うと「ちょいワル」が近いかもしれない。PVではロンドンの街で、ちょっと悪そうに振る舞うASKAが見どころ笑。アルバム唯一のアップナンバーで、07年のDOUBLEツアーで久々に演奏され、聴衆を熱狂させた。

 

勢いで100万枚売ったシングル『if』も、アルバムに合わせてスローナンバーに変身。地味な曲が、さらに地味に笑

参考:シングルバージョン if

 

 

『HANG UP THE PHONE』(電話を切れ、の意)はアルバムを象徴する一曲。PVでもブラス隊が目立つ。チャゲアスには珍しいオシャレさがある(失礼か)。この曲はMTV UNPLUGGEDの一曲目でアップテンポにアレンジされて、大化けする。

 

 

CHAGEもオトナな曲を多数披露している。この『夢』のマイナーな雰囲気はCHAGEの真骨頂だ。

 

 

シングル『no no darlin’』。地味だが優しさが滲み出る曲調で、ファンの間では人気の高い曲。私はこのPVが一番好きだ。

 

 

アルバムの最後は『世界にMerry X’mas』。クリスマスというと「恋人」たちが洋食を喰ったり宿に泊まったり、無闇に高い贈答物を買ったりと、資本主義の手先みたいなイベントに成り下がっているけれど、ここではクリスマスが人類愛にまで昇華している。恋じゃなくて、子どもたちの笑顔がテーマという、新種のクリスマスソングだ。2011年にセルフカバーされており、より情感がこもっていて私はこちらのほうが好きだ。
http://www.chage-aska.net/discography/item/POCS-22018

 

 

(2017/12/04)

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